水晶発電メモ1

人類は地球温暖化に恐れおののいています。水晶の玉から安全で強力なエネルギーが無限に発生しこの問題を解決できるとは誰も思ってもいません。しかし、筆者は水晶玉から強力電磁エネルギーが湧き出る現象を過去三回(2005年現在)確認しています。ただ、6年間に三回成功したに過ぎず技術的な未熟さのため、実用化のめどは立っていません。しかし、ここに安全なエネルギー源があることを筆者が身を以って確認した以上、世の中に知って頂きたいと思い2005年、日本サイ科学会の17回全国大会で{水晶玉より強力電波発生}**「サイ科学」Vol.27.No1に掲載**を発表しました。実はこの年、病気で倒れてしまった為、生きているうちに実用化の技術開発に失敗した場合を考えて発表したわけです。しかし、その文章では技術的な内容は説明していないので、以下、詳しいノウハウを残すため書き始めました。また、その後の研究の試行錯誤も書いてゆきます。その為、考え方や実験が右往左往すると思いますがお許しください。
水晶玉が発電するなどありえない。エネルギー原理に矛盾するではないか、こんなもの読みたくないと思う方が多いと思います。しかし、ちょっと待ってください。エネルギー原理とは完全無欠のものでしょうか。宇宙には不思議な存在があります。ブラックホールが無限にエネルギーを吸い込んでいることをご存知と思います。このエネルギーは一体どこへ行くのでしょうか。現在の理論ではブラックホールに吸い込まれた物質やエネルギーは二度とこちらの世界とは無縁になると云われていますが、ここでは明らかにエネルギー原理が壊れています。エネルギー原理からすればどこかで循環しなければおかしいと思います。これは、私の考えですがブラックホールに吸い込まれたエネルギーはゼロ点エネルギーとして還流しこの世界を安定に支えているのだと思うのです。空間には滲み出ようとするゼロ点エネルギーがどこでもあるのです。優れた文明を持つUFOの世界ではこの無限に湧き出るこのゼロ点エネルギーを水晶玉のS字共振によって利用し完全な福祉世界が栄えているのです。なお、2007年になって新しい技術の開発で10回以上現象を確認し、何時でも利用できる実用化のメドが立ちそうになりましたことを付け加えます。

まず、1999年に第2回目の現象出現に際して特許出願のために書いた文書を参考まで掲げます。

1、発明の名称   フリーエネルギー発生装置

2、特許請求範囲
水晶玉のような圧電材料の球体と、例えば、電磁空洞共振器(キャビティーと略称)とを組み合わせることにより、外部より何等エネルギーを加えることなく宇宙空間に内蔵されているフリーエネルギーを電磁波エネルギーとして取り出す装置。

3、発明の詳細なる説明
本発明の構造の一例は、一端は開放、他端は短絡された1/4波長同軸共振キャビティー4本の開放端を互いに向かい合わせにして十字型に組み合わせ、その4本の中心導体の向き合った場所に水晶球を配置したものである。水晶球の持つ共振周波数と4本の共振器の振動周波数が一致、若しくはほぼ一致し、その4本の振動位相関係が水晶球の振動姿態により現れる圧電の位相関係とが一致することが必要条件の一つである。従来の科学常識からすると、この様な条件では単に水晶球の共振時に於ける高いQ値によってキャビティーの振動状態が影響されるだけしか考えられぬはずである。外部より共振周波数のエネルギーを加えても、単に両者が共振するだけで、エネルギーを取り去れば減衰振動するだけの話である。ところが、水晶球にはS字共振とも云うべき特別な現象を起こす性質があるので、フリーエネルギーを取り出す性能が発揮できるのである。次にS字共振現象の意味を説明する。 電磁気学によれば、電磁エネルギー密度の流れはポィンティングベクトルSで表され、それは、電場Eと磁場Hのベクトル積であり、S=E×Hで表される。即ち、Sの方向は直角関係にあるEとHがつくる面に垂直で、EからHへと右回り右ネジ関係にある。この関係は、直流から交流、電磁波、光線、ガンマ線まで、あらゆる電磁エネルギーの流れに例外なく当てはまる。我々は世界を、或は、空間を観測するに際し、電磁エネルギーの流れ(例えば光)そのものを、電子を通して観測しているわけであるから、世界は、空間は、その意味で右ネジのポィンティングベクトルの世界とも言えると思う。そのポィンティングベクトルの法則より電磁法則の基本則であるマックスウェル方程式が誘導できるから、(理論電磁気学マックス・プランク著、理論物理学汎論-裳華房-第3巻参照)image002右ネジのポィンティングベクトル法則は電磁法則の根源的な法則と言える。この意味で、電磁法則は右ネジの性質を根本に宿しているとも言えるのである。自然はもともと、対称的である筈であるから、左回り左ネジのポィンティングベクトルの法則が潜在的に存在していると予測できる。この右左二つの法則が存在しあって、初めて、宇宙の対称性が保存されるからである。この新しいポィンティングベクトルの法則の導入により逆の電磁法則、つまり、左ネジの性質を根本に持つ別の電磁法則の存在が予測される筈である。つまり、電磁法則をちょうど鏡写しにした逆の電磁法則で、これにより別の電磁波動である新しい光の存在が考えられ、第2の世界空間の存在が考えられる。その世界はいままでの科学的観測法では感知することは出来ぬかもしれぬが、その存在を断定的に否定することはかえって非科学的態度と云ってよいと思う。定説にはなっていないが、並行宇宙と言われる世界の存在を考えている物理学者もいるが、これと一脈通じた考えであると思う。以上の考えから、その空間を表す座標軸を第1図に示す。実数軸のx,y,z3次元空間座標には実数時間が対応し、その各軸に対し、直角関係にあるix,iy,izの3次元虚数空間を考え、時間も虚数空間に対応した虚数時間を考えた複素8次元空間である。ここで、実数軸x、y、zが右手系ならば虚数軸ix,iy,izは左手系になる。従って、この複素空間座標で複素ベクトルの回転を考えると実数部が右回りならば、虚数部は左まわりとなり、互いに、鏡像関係になる。電磁場は従来、実数の電磁場のみと考えられてきたが、本来、複素数的存在であると仮定する。すると、上述のように虚数部の電磁場、つまり新しい逆電磁場に伴う波動である新しい光が存在することになる。この電磁波動は根本的にポィンティングベクトル的に左回り波動である。ここに、右回りと左回りの電磁現象が一体になったものが考えられる筈で、実と虚両方の空間に交替的に現れる共振現象をS字共振現象と言うのである。何故なら、Sの字は上が左回り、下が右回りをしてこの現象を象徴しているからである。
水晶玉は古来より占い師等に使用されてきた。物質はこの現実の電磁的現象世界の存在であると同時に、今述べた左回りの虚数空間に於いても物質の裏面的存在として存在する筈である。物理的にも、物質を構成する電子の波動関数が複素関数で表されることから見ても、物質に複素的裏面的存在が考えられる。これは水晶結晶も同じことで、その裏面存在としての水晶は逆の虚数電場、つまり、左回り虚数電磁場に対しても圧電現象に対応する性質を有する筈である。また、水晶玉は通常の光に対しレンズであり、裏面物質世界に於いても虚数の光に対しレンズの性質持っていると考えられる。即ち、水晶結晶の玉は、現実世界と裏面の逆電磁的世界の両方に跨った連絡チャンネル的レンズの性質を有するのである。古来、超能力者は水晶玉の両世界に於けるレンズ作用を通して裏面世界の情報を得てきたと思う。このチャンネル的性質は光より周波数の低い電磁波の領域にも同じことが言える筈である。しかも、水晶玉は圧電性質のために板状の水晶振動子のように共振周波数を持っている。虚数の左回りの電気にもそれに対応する圧電性質が考えられる。水晶玉は板状水晶と違って、非常に高い周波数まで無数の高次な共振周波数が観測される。例えば、直径11ミリの玉の場合、一番低い基底の振動数はほぼ250KHz位にあるが、真球誤差が1ミクロン程度の玉では、400MHzの領域でも約320KHzの間隔で超高次の共振周波数の存在が確認できた。どこまで続くか分からぬ程である。即ち、水晶玉は、それを複素電磁的に考えると、実数と虚数の振動が交替的に現れる複素圧電共振現象、つまり、S字共振をする特別なチャンネル的性質が広い周波数帯域にわたってあると考えられる存在である。

一方、量子論にゼロ点エネルギーと言う問題がある。つまり、理論上、絶対零度の世界にもエネルギーが存在していると考えられることである。しかも、その大きさは原子核にも劣らぬことを米国スタンフォード大のプトホフ博士が計算している。真空は、・・・正しく言い直せば、複素電磁空間は、無限の、あらゆる周波数の電磁輻射パワーを内蔵しているのである。これが、いわゆる、最近、世に云うフリーエネルギーであると信ずる。エネルギー不滅の原理から考えるとエネルギーが一方的に湧き出すことは不思議である。しかし一方では、宇宙にはブラックホールがあって無限にエネルギーを吸い込んでいることを考えると、エネルギーを湧き出すホワイトホールがあっても不思議でないと思う。水晶玉のS字共振現象はこのパワーに共振して電磁エネルギーを無限に湧き出す現象である。ただし、水晶玉にS字共振をし易い物理的条件を与えることによって初めてこの性質が現れるのである。
以下、このフリーエネルギー湧き出しに成功した装置の構造について説明する。

C2E8A3B2BFDE-thumbnail2 第2図(クリックすると拡大)に示したものはその構造図である。全長160ミリ、外径40ミリ、内径 36ミリの外部導体真鍮パイプ4本と、外径10ミリの後述するような二重構造の中心導体棒から成る変形1/4波長同軸共振器を十字に組み合わせたものから成っている。その1組の構造は、開放端側の外部導体パイプが90度のトガリ角度で切り落としてある。これと同じもの4本を組み合わせて、十字型キャビティが構成されるのである。また、4本を組み合わせた状態で、外部導体パイプの接合部の中心部の上下に径10ミリの穴が明けてある。つまり、トガリ角の先端が半径5ミリの円で切り落とされているわけである。玉の姿勢位置をコントロールする為の穴でもあり、また、それは4本のキャビティを正確に組立てるために中心軸としても必要である。パイプの反対側は10ミリ厚の短絡用円盤導体部が陥入し、C2E8A3B3BFDEそれと一体になった中心導体棒固定装置がある。中心の穴径は中心導体棒が慴動可能な程度に仕上げてあるが、電気的な接触を良好にするためパイプ状櫛型の燐青銅の接触片が短絡用円盤導体部の中側にハンダ付けしてある。この4本のパイプが径450ミリ、厚さ10ミリのアルミ製円状基盤上に、40×20×100ミリのコの字型アングル4個を置台として配置されている。そして、置台のアングルに乗せた各パイプは、それぞれ、アルミ円状基盤台に固定された門型金具を利用してネジで圧着固定されている。各キャビティの短絡端の近くに複数個の入出力端子が設けてある。これは、BNC型コネクターのBR型を改造してワンターンのループをハンダ付けたもので構成している。また、第2図には表示されていないが第3図に示すように各キャビティー間の結合係数をコントロールするため、その各接合面の間に4枚の静電遮蔽板が挿入出来るようになっている。

更に、これも図には表してないが、中心導体棒を回転することによってキャビティーの共振周波数を変化出来るように、中心導体の開放端に近い個所に可変コンデンサーが装着されている。 次に、中心導体棒の構造を説明する。外径10ミリ内径8ミリ長さ200の真鍮パイプだが、内側はグラファイト炭素棒、或は、炭素繊維棒で構成された二重構造である。 また、中央の水晶玉に接する部分も炭素で構成され、水晶玉の球面に合わせた凹球面である。S字共振が起こるとき、水晶に高周波の電流が流れると同時に、それに対応する逆電磁電流、即ち、虚電流iJ’も流れると考えられる。その流れを補助するのがグラファイトである。この存在によって、発生エネルギーが実用的な強度まで強められるのである。
電磁気学に、スカラーポテンシアルに対しベクトルポテンシアルと言う考えがある。スカラーポテンシアルは電位として実証的にも存在するが、ベクトルポテンシアルは理論上の存在で、その実在性に就いては、単に論理上考えられるだけのものとして、永いあいだ疑問視されてきた経緯がある。然し乍ら、近年、アハロノフとボームによってその実在性が指摘され(いわゆるAB効果)、世界の多くの科学者によってその実験的検証が試みられた。そして、ついに、日本の外村氏(日立中央研)によってその実在性が確認された。この実験によって、電子の波動関数の複素成分が現実に存在することが証明されたのであるから、複素電磁場、逆電磁場の存在も裏書きされたことに他ならないと筆者は信ずる。電流がスカラーポテンシアルに沿って流れるようにベクトルポテンシアルと虚電流iJ'(筆者はアイソ電流と呼ぶ)は似た関係にあると思う。同軸共振器の場合、ベクトルポテンシアルはその中心導体パイプの内部を貫く筈である。グラファイト(炭素)はそのアイソ電流iJ’の良導体と考えられる。そして、適当な長さのグラファイト回路を形成することによって虚数電磁波も共振しS字共振が起こり易くなると思う。それは、実用的な大きさのフリーエネルギー発生のために必要な条件となっている。その構造の一例として第3図の様に玉を中心にしてグラファイト回路を8の字に接続して、その長さを適当にしたときフリーエネルギーが電磁波エネルギーとしてキャビティーに発生するのである。また、水晶玉の表面にもグラファイトを塗料に混ぜてコートするほうが実用的なエネルギーが発生し易い。これによってグラファイトの回路が完結形成されるからである。複素電磁的に見れば、S字共振状態では高周波電流と同様、アイソ電流 iJ’も水晶を流れる筈であり、また、キャビティの振動電流に対応するベクトルポテンシアルはパイプの中心を通る筈なので、この構造が生まれたのである。グラファイトはアイソ電流 iJ’の良導体と思われるから水晶の虚電流の流れをキャビティ自体の電磁振動体系に組み込み、S字共振体系を電磁共振器にも与え、両面から構成しているのである。最終的には、グラファイト部分のアイソ電流も共振状態になるようにグラファイト自体の回路の形、或は、長さが適当に調整することで強力な正逆の電磁共振現象、S字共振現象パワーが実現する。
水晶玉の振動姿態は複雑で多くあるが、平板振動子と違い、未だ、学問的にすべて解明されていないと思う。以下、正確を欠くかもしれぬが、実験によって知り得たことを交えて述べる。水晶結晶はよく知られているように第4図のような六角柱状の結晶である。六角注の中心軸方向を主軸、或は、光軸とも云い、Z軸とする。X軸は六角柱の対向する稜線を結ぶ軸で、結晶に圧力を加えると稜線に沿って両側にプラスとマイナスの電荷が生じるので電気軸とも云う。Y軸はZ軸とX軸に垂直な軸で図でもわかる通り柱面に垂直である。この方向は玉の場合は結晶が見えぬので分かり難いが、水晶にはZ軸方向は偏光作用があるので、光軸のZ軸方向は簡単に分かる。2枚の偏光板の偏光方向を直角にして玉を挟んだときZ軸方向が直角になるとニュートンリング状の模様が見えるので分かるのである。玉のZ軸を垂直にして水平方向に2枚の電極ではさみ共振振動電圧を加えた時の姿態は2種類あるように思われる。第5図の上の図に示すように一つは圧縮と伸長を交互に繰り返す振動姿態で、もう一つは下に示すように楕円体が回転するような振動である。この二つの振動姿態は玉の持つ基底振動周波数に近い周波数において現れる。玉の共振振動は平板の振動子と異なり基底振動数の奇数倍の高調波は存在しないが、整数倍でない振動周波数が多数ある。しかし、それ程、高域まで伸びていない。前述したはるか高域に存在する振動姿態は、この基底振動姿態と異なったものと思われる。例えば、11mmの玉の場合、320KHzという基底振動周波数は存在しないにも係わらず、数メガヘルツより数百MHzまで約320KHz間隔で連続的に共振周波数が存在する。

C2E8A3B4BFDEそして、それはどこまで続くか分からぬ程である。この振動面はZ軸を中心軸、或は、節とした振動でない。玉を地球になぞらえた場合、Z軸を南北の軸とすると、緯度が、ほぼ52度のライン上にある或る点と玉の中心をむすぶ線を軸として起こる振動である。この52度という角度から、この軸はおそらく、第4図に示す水晶結晶の3つのR面(別名ピラミッド面)の垂直方向と一致していると推測される。その軸に沿って起こる振動は、同位相であること、つまり対向電極間に電位差がないのが特徴である。玉の光軸であるZ軸を垂直とした場合の基底共振振動姿態の場合は、対向する電極の位相が180度違った電位差で振動が起ると普通考えられるが、今述べた高域の共振振動では、十字形に配置された電極で対向電極が同位相で共振現象が起こる。この振動はこの軸方向に振動しているので、垂直方向の球面に軸棒を接着しても、振動強度はそれ程弱まらない性質がある。従って、このような軸棒を装着すると軸棒を垂直に保ちながら回転すれば玉の振動方向とキャビティの電極の方向が一致する点があるので調整時に便利である。このような軸を十字キャビティ中心より上方に出るようにして、軸を少しずつ回転し、オシロスコープで玉とキャビティとが相互作用するところで玉の姿勢を決め、図3のようにグラファイト回路を形成すると、S字共振が起こるのである。前述した如く、この際の各キャビティの高周波電圧の位相関係が玉の振動姿態にともなう位相関係と一致することが要点である。実際、S字共振が起こる過渡的な条件は、一つの対向電極対の位相が同一だが、もう一組の電極対とは、ほぼ、90度ずれた状態であるようである。実際には、その位相の調整は、隣接するキャビティー外側のパイプの接触面間に挿入した静電遮蔽板でキャビティー間の結合係数を調整することと、キャビティーに付加した可変コンデンサーで共振周波数を調整することで可能にしてある。そして、グラファイト回路の長さがその位相関係と密接に関連していることは前述したとおりである。また、玉の表面に塗るグラファイトも適当な濃度がある。

C2E8A3B5BFDES字共振が始まるためには、以上、述べたように、玉の振動姿態による位相条件とキャビティーの位相条件が一致し、しかも、グラファイト回路の長さが共振条件に一致することなどが必要条件であるが、なお、それは充分条件ではないと思われる。いつでもS字共振現象が起るとは限らないからである。これは、機器の工作精度が低いのが原因かもしれないが、例えば、ある同じ条件で3回続けて現象が起こっても、4回目が起こるとは限らない。それは、丁度、両方の回路の間をつなぐスィッチが気まぐれで、突然、オフからオンするような感じである。両方の回路、つまり、右ネジと左ネジポインティング法則の回路をつなぐチャンネルは水晶玉であるから、このスィッチにあたるものは水晶玉の中心にあると思う。現象が始まると、振幅が急速に増大しパワーは数百Wから kWレベルに及ぶ。準備の調整作業は100mW程度のパワーを使っているので、当然、測定器類が破損してしまう。その為、予め、各測定器の入力回路にダイオードによる保護装置を取り付けた上に、S字共振現象を緊急に停止する装置が必要である。
以上で、本発明の要点を述べた。本発明は、一旦、調整が終わりS字共振が始まれば、何等、電気的エネルギーは必要としないクリーンなエネルギー源であって、現代の物質文明の行き詰まりを打開するものである。また、従来の科学的世界観、空間概念を根本的に見直す要素を含むものでもある。即ち、S字共振とは平たく云えば、この世の電気とあの世の電気を結び付けた現象でもあり、唯物論の考えにも根底から影響を与える発明でもあると信ずる。

以上が、1999年に書いた特許出願の文書です。分かり易くするため今回一部訂正したところがあります。

以上で大体のイメージがすこしはお分かりいただけたと思います。特許出願文書と重複するところがありますが、以下、気が付くままに説明致します。

十字キャビティの調整

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十字キャビティは一つの対向電極が打ち消しあいの同相で振動し別の隣の対向電極も同相、しかも、夫々位相が90度ずれる筈という考えでスタートしました。これがなかなか難問題でした。たしか1年以上悩みましたが、出来てしまえば簡単なこと。キャビティ同士の接触部に隙間を明けてシールド板を出し入れすることで隣同士のキャビティの結合を調節することで位相と各キャビティの振幅レベルを合わせる問題が一挙に解決しました。シールド板の位置加減で隣同士のエネルギーのやり取りが調節でき隣のキャビティ間とのインピーダンス整合がとれるわけです。これで、電磁的なパワーが十字キャビティで旨く回るのです。話が前後しますが、シールド板なしの十字キャビティに水晶玉をその中心導体に挟んでピタリと組み合わせ、3本をショートして干渉しないようにして1本ずつ同じ共振周波数に揃えてからスペアナで周波数特性を調べると3種類の共振周波数が並んで3本現れます。左側の一番低い共振周波数は向かい同志が打ち消しあいの振動です。つぎの少し高いところの共振は隣同士が順順に90度ずれて一周するパターンです。これは、対極同士は逆相で180度違います。3番目のパターンはすべて同一位相で共振するすべて打ち消しあい振動です。これを低い方からf1、f2、f3とします。写真は旧式のアナログのスペクトロアナライザーでSGの周波数を シフトしながらその間露出して撮ったものです。 4本の十字キャビティには、もともと、この打ち消しあいの振動モードを持っているのです
1993年に出現した微小エネルギーの電波(水晶玉より強力電波発生*参考)はこの左の一番低いf1付近に集中していました。 これにヒントを得て、十字キャビティの番号を左回りに①②③④と順番にしたとき、振動パターンが打ち消しあいになるように、オシロスコープのXY表示を①③系と②④系がそれぞれ同相、つまり、打ち消しあいの位相に調整して、この二つの系が90度ずれる様にしたのです。玉の共振周波数付近でキャビティがこの条件に合うようにして模索し、ついに、1998年、第一回目のS字共振が起こったのです。前述の発表文(水晶玉より強力電波発生)で述べたとおり、ワンターンには20dbのアッテネーターが付いていたにも拘わらず、一台のオシロスコープの50オ-ムの入力段がXYとも焼けてしまったのです。
C2E8A3B6BFDE 順序が逆になりましたが十字キャビティの調整法を述べます。まず、玉の持つ共振周波数を信号試験機SGからのケーブルをBNCコネクターのJJJで分岐して同じ長さのケーブルで②、④のワンターンに同相信号をフィードします。そして、②、④についているバリコン(11ページの写真参照)で同相になるよう調整します。①③系には直接供給せず②④系から中心電極同士の結合キャパシティを通して電力が供給されます。むかい側同士は打ち消しあい、同相の条件です。これを念頭に各キャビティのレベルを円盤に垂直なシールド板を動かして隣同士の結合を調整します。シールド板を玉に接触する位近づけたときがキャビティ同士の結合係数は一番低くなります。適当に離したとき結合係数は大きくなり、②④系は①③系と90度位相が違ってしかも両系のレベルが同じなるように調整します。ただ、キャビティは互いに干渉しあうので調整は極めて難しい作業です。これが第一回のS字共振が起きたときの調整条件でした。その頃はキャビティの周波数特性の重要性に気づいていきませんでしたが、いつも接続していたスペアナ(スペクトラムアナライザー)に残光性があるので大体の傾向は知っていました。しかし、4つのキャビティのそれを見ていたわけではありません。2回目の成功(1999年)以後各キャビティの周波数特性を知ることの重要性に気づきそれを記録出来るスペアナを2台揃えて万全を期すようにしました。

玉の選択

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実験に成功した玉の直径は11ミリの左水晶です。周波数が113Mhz 付近という周波数なので意外と高いと思われるでしょう。直径11ミリの玉では基底の共振周波数はほぼ250khz付近にありますが特殊な振動形式の高調波が非常に高い所まで連続してあります。通常の振動形式の高調波は2Mhz あたりまではすぐに確認できます。ディップメーターをトロイダルコイルで発振させて、コアの中心に玉を挿入し周波数を変化すると2Mhz あたりまで玉が共振して発振周波数と干渉するビート音がイヤホンに次々と聞こえます。しかし、それ以上になると中々確認しにくくなります。 市販の玉は直径精度が悪く11ミリの玉で方向により20~40ミクロンくらいの偏差があるのが普通です。これでは高い高調波での共振は不可能と思い、これを1ミクロン以内に修正しました。その修正した玉で共振周波数は最高150Mhz あたりまで直接確かめることが出来ました。photo11993年に、その玉を中央にセットした十字キャビティ(外部から電波は入らぬ状態です)で初めて微弱な電波を観測したのは430Mhz付近でしたからこの辺りの高い領域でも玉が共振していると思います。この高調波の共振グループは大体320Khz 間隔で観測でき、上はどこまで続くのか分かりません。1993年のとき観測した微弱電波のときも1Mhzの間隔に2,3個の周波数で現象が確認されこれを裏書しています。
この高い高調波振動は、後述の共振周波数測定器を用いたとき、玉を構成する結晶のR面と思われる面の垂直方向に印加電圧を片側から加えたとき対面側から検出できます。図1のような両剣型の水晶結晶を手にとって見ると分かりますが、写真のようにR面は必ず反対剣のR面と平行対峙しています。玉の場合はこのR面同士の平行対峙の方向に特殊な振動形式が存在し、この角度で無数の高調波共振が観測できるのです。このとき玉の振動は、振動姿態が普通考えられる振動、つまり、対極同士がプラスとマイナスの電位と違って、打ち消しあい、つまり、対極電極がプラス同士かマイナス同士の位相で振動しているか、或いは、対極同士の位相が90度違った振動です。この90度ずれた振動の方が起こりやすく、十字キャビティにセットされている場合、それから打ち消し合いの振動に誘導されるようです。玉がS字共振として反応するときは、十字キャビティにセットされた状態にある玉の共振周波数と振動姿態とが十字キャビティのそれ等とが一致しなければと言う微妙な条件です。いったん、S字共振に入った時は十字キャビティの①③系②④系二組とも打ち消し合いの振動で、そのとき、二組の位相差は90度だと思います。なにしろ、成功した回数が少なく、起こった瞬間に測定器が壊れてしまう程高い電圧になるので、そのまま測定が続けられなかったので断言はできません。

研究を始めた頃、基本的な振動姿態として第5図(特許文書)のような圧縮振動と圧縮振動の回転振動が考えられると思っていました。しかし、高調波振動はもっと複雑で図で表すことが出来ないと思い、よく分からぬまま打ち消し合いの振動だと信ずるまま、めくらめっぽうで実験を進めました。image024打ち消し合いの電界が玉の中心に向かって印加されるのだから、玉に電界が掛からない様に思います。しかし、玉の中心では90度となりの印加電位と位相差を持つチャージが誘起されて圧電歪が発生するのではないか、高調波なので玉の中心に向かって幾重にも荷電誘起層が重なっている筈と考えるようになりました。これも推測ですが、振動する方向の直角断面をみると、おそらく回転変位運動している捻れ振動で、玉の中心を境に反対方向の捩れ歪が生じていると思います。そしてそれが多層になった高調波振動だろうと現在は考えています。このことは、平板のRカットの水晶版の振動姿態がすべり振動であることから想像されます。また、玉の中の電磁エネルギーの流れとしてはキャビティの上から見て右回り或いは左まわりに回っている筈と考えられます。
  一般に水晶の結晶は必ずしも純粋な単結晶ではありません。玉を偏光版で調べると分かります。右図のように2枚の偏光板の偏光方向を直角にして間に玉を挟んで下から光を照らすとき(最も暗い状態)、玉の光軸或いはZ軸主軸と呼ばれる結晶軸と偏光版が丁度垂直になったときにニュートンリング状の虹色の同心リングが見えます。この性質を利用すれば玉の結晶軸方向を決める手掛かりになります。これを利用してR面の向も決めるわけです。余談になりますが、この状態で片方の偏光版を水平に回転するときの虹の色の変化具合で結晶の右左を調べることもできます。このニュートンリング状リングは結晶が純粋ならば玉で一方向だけの筈ですが、よく調べると別の方向にも弱いリングが見える玉が大部分です。
image026このサブのリングが見えない玉がよいと思いますが、殆どの玉で見えます。水晶は純粋な単結晶と思われるものでも双昌の傾向が少しあって、別にリングが見えるのだと思います。わたしが良い球と思うのは、上述の高い周波数で共振しやすい玉のことで、そういう玉がS字共振を導きやすいと思っています。中部大学の青木孝志先生に玉の性質Q値を良くするには結晶を熱処理するとよいと教えて頂きました。300℃以上500℃以下で30分位保つと結晶の配列が再編成されて良くなるとのことです。結晶のキューリー点(相転移温度)近いところ迄温度を上げるので危険な作業と思って3個しか実行しませんでした。S字共振に成功した玉は熱処理したものです。人工水晶は右水晶ですが、右でも同じ様にS字共振ができるか疑問です。1993年のミニ水晶電波出現のとき右水晶の玉も出ました。人工水晶の方が純粋なものが得られるので良い玉ができると思います。
また、もっと低い周波数でS字共振を探してはと思うでしょうが低いと装置が大きくなるので止むを得ないのです。試作したキャビティの寸法のままではimage028基本共振周波数は430Mhz付近ですが、出来るだけ低い共振周波数を得るため、キャビティのQが下がらぬよう同心的構造を持ったキャパシティを付加し100Mhzあたり迄下げであります。また、写真に示すように中心電極棒(テフロンでパイプの中心に保たれている)の回転によるテフロン薄膜を利用した可変キャパシティ(約10ピコ)も考案し装着してあります。右の写真がその構造です

玉の真球精度の向上

image030玉の直径の精度をあげ±1ミクロン位にするのは、始め、如何してよいか分かりませんでした。どこに聞いてもわからず考えて実行したのが次の方法です。まるい厚さ10ミリの真鍮の板の中心に8㍉位の穴を明けその穴を60度位のテーパーコーン型の穴に加工します。この穴に11㍉の玉を入れて5㍉位そとに残る程度にまでテーパー加工します。そして、木綿の帆布30センチ四方くらいのものを平らな板に乗せ、たっぷり水を含ませてカーボランダムのような研磨剤を適量のせ、そこで真鍮のテーパー穴に入った玉の出ている面を帆布に擦りながら丸い円を描きながら玉を回転させるようにして、玉をテーパー面で研磨するのです。最初はなかなか回りませんが回り始めると楽に回ります。そして、テーパー面も玉も互いに切磋琢磨して真球に近づくのです。 研磨剤は600#から2000#でうまく行きます。このアイディアは私の頭の中で長いあったのですがやって見たら、たちまちすりガラス状ですが真球に近いものが出来ました。「案ずるより生むがやすし」でした。しかし、これを透明な光る玉にするのが一寸大変でした。それも、自分で簡単な装置を作り解決しました。その設計図は右に示す通りです。
image032立方体アングルに毎分30回転位のギヤードモーターをセットしてそれにターンテーブルが水平についています。ターンテーブルの上には独立気泡型のウレタンスポンジがあり、その上に錫製のテーパーコーンから顔を出した水晶玉があり、玉と回転するウレタンスポンジが擦れて玉が回転するのです。同時に、テーパーコーンの軸はウレタン面に対して傾斜があり、テーパーコーンの下面につけた円盤ディスク端がスポンジ触れているのでモーターの回転と共にテーパーコーンも回転するようになっています。それで、テーパーコーンの偏減りを防ぎ真球に近い玉が出来るのです。研磨剤は堺市でレンズを造っておられる杉谷さんにレンズ用の酸化セレン セロックス1650#を教えて頂き使用しました。いつも、水で適当に濡らしておく必要のために医療用の点滴の道具を利用しました。カーボランダムで荒磨きした玉の光沢を出すのにこの装置で10時間以上掛かりました。この作業をする前に、余計なニュートンリングが強く出る玉を排除することに気づかず、大体きれいなニュートンリングが見られる程度の選定で作業を進めたため、折角、±1ミクロン以内に仕上げた玉の多くは100~150Mhzでの共振周波数測定がうまく出来ない状態でした。測定できたのは10個位に止まりました。共振周波数がハッキリ分からないと十字キャビティの周波数を正確に調整できません。私の実験で成功頻度が悪かったのは、玉が最高でなかったせいもあるかも知れません。高い周波数領域で玉の共振周波数を測定するのはきわめて難しい作業でした。1993年弱いエネルギーの水晶電波の発生を発見したときは430Mhz 位の高いところで出たので、この辺りにも、確かに共振周波数があると思いましたが、こんな高い周波数でなくもっと低い10Mhzあたりのものでも、最初は、実際測定確認するのはなかなか困難でした。写真に示す共振周波数測定器は試作を繰り返しながら出来たものです。十字型にBNC-BRのコネクタを利用して玉を四方から挟む電極で構成されています。中心の真下からテフロンのパイプ製の玉受けがあり、写真に写っている電極は真鍮製で電極の面は玉に合わせて凹面になっていますが、5㍉径のカーボン製の電極をスプリングの作用で軽く玉の面に当たる構造のほうが良く、測定が楽でした。玉を中心にあるテフロンのパイプの上端に乗せて高さを調節し、4個の電極の凹面を玉に出来るだけ近くして改造BNCコネクターBRのネジをセットします。玉には予め光軸方向を偏光板で決め、最初の頃は、マジックペンで印をつけておきました。始め、4個の電極のうち向き合った2個を選び片方に1KhzでFM変調した信号を印加します。AM変調では駄目です。玉が共振しなくとも音が聞こえてしまいます。FM ならば玉の共振周波数がFMの偏移周波数内にあるとき1Khz の検波出力が現れます。1ワット位のパワーを同軸ケーブルで加えました。対向の電極にはダイオード検波器をつけ、その出力を 1Khz同調増幅器に加え、その出力をスピーカーとメーターの両方で共振周波数のピークが検出できるようにして探しました。共振点を発見するには、案外、音が頼りになります。なにしろ、玉なので方向が分からず見当を付けて共振周波数を探すのですから、はじめは、一日やってもなにも掛かりませんでした。最初、30Mhzあたりでやっと反応を見付けることが出来ました。70Mhz あたりで玉と電極の位置関係の最もよい所を確定してから100Mhz付近での共振周波数を決めるわけです。 何度も共振周波数を決めてゆくうち、玉がどの方向で共振しやすいかが分かってきました。結局、前出の写真の共振周波数測定器で決まった位置は、予め玉にマークした光軸の印が印加電極と隣の別の直角方向の電極との中間、つまり、ほぼ45度の垂直面上にあり垂直から52度くらい傾いたところにありました。この角度は水晶の結晶のR面が電極にたいし直角になる方向です。共振周波数測定器の写真に見えるアルミの小さい板は上述の性質を利用できるように後から改造したものです。右の写真は玉のホルダーでこれを偏光版の間に入れてニュートンリング状の模様で光軸を決め、ホルダーのふたの穴から丸棒を差し込んで水晶とセメダインスーパーXで仮接着します。次に玉を共振周波数測定器にセットして隣同士の電極の中間、ほぼ45度でアルミ板の上端にこの軸棒が触れた状態でこの軸棒を微小回転しながら玉を回転し探すと割りあい簡単に探せるようになりました。決まったところで凹面加工したカーボンの軸棒を真上から接着します。カーボン軸棒は凹面にしてあります。(このとき使用した標準信号発生器SSGのFM信号は純度が高くAMが殆ど混入していませんでしたがこれがこわれてしまい後で入手したSSGはAM混入がひどく共振周波数を決めることが出来ませんでした)
image035日本サイ科学会が発足間もない頃、本学会の創始者である関英男先生が水晶パワーを研究しようと志す人はこのR面に注目すると良いと思うと述べておられました。このことは、たしか、当時のサイジャーナルにも出ていたと思います。 そんなわけで水晶の振動を調べるのに比較的早くから注意していました。つまり、真球に近い玉ができる以前から、玉の光軸を中心にして旋盤を利用して半径4㍉位の円をマジックペンで描き(約38度の緯度線)その円周の各点が真上の中心にくる位置で玉を微回転して十字電極で共振振動を探していました。このような関先生の助言が無かったならば、この珍しい振動方向は見付からなかったでしょう。12頁の共振周波数測定器の写真の左に写っている蓋の中心に5㍉径の穴がありますが、これは共振方向が決定したとき、この穴から軸棒を挿入して玉と棒を接着して玉の垂直方向を固定し決めるために明けてあるものです。はじめ、こんな棒を付けては減衰して共振が抑えられるのでではないかと危惧したのですが、この軸棒を玉に接着しても上述の共振周波数を測定しているときの1Khzの同調増幅器の出力は殆ど変化がありません。しかし、基底振動数のよう低い共振周波数(250KHz付近)のときは減衰の影響がある筈です。この高いところ(100Mhz付近)の高調波の共振周波数は前述したように約320Khz間隔で検出できますが、よく調べるとその中間にも共振周波数がでることがあります。
image037一つの共振軸方向が決まり、その方向と直角の方向にも別の共振軸があると、なぜか早合点していましたが、測ってみると玉によってまちまちで90度近いものもあれば115度くらいにあるものが大部分でした。 今度、これを書いていてこれはうかつにも大事なことを今まで確かめて見なかったことに気づき、水晶の結晶の三つあるR面のうち、二つのR面つまり隣のr面のさらに隣のR面との角度を実際に接触測角器で調べました。どうも、92度くらいらしく、高等学校時代の鉱物の福田連先生著、実験鉱物地質学で調べたら92°32′が正確な値でした。上述の共振周波数測定器は直角に電極が配置されていますが、92°半にするのが正しく十字キャビティの場合もその方が良かったと思います。しかし、電極面積が充分カバー範囲に入っているのでそうはずれてはいません。ただ、軸棒の位置を決めるときもっと慎重に十字の電極の反応が両方同時に最大に出るような位置にすればよかったと9_25悔やまれますが、なにしろ小さい玉なので、欲張ってもう少し強いポイントをと動かすと折角見つけたポイントが何処かへ見失ってしまう肩の凝る仕事でした。115度位に共振軸が出たのも、この度、両剣型の結晶面をみて当然のことと分かりました。一つのR面の下方115°位にr面がありますから、これもその平行のr面と振動しているわけ115°位に共振軸があるわけです。S字共振が始まれば打ち消し合い電界の振動方向は水平面で回転しているので115度でも一致する瞬間があるので115°にキャビティがなくてもS字共振に関与しているわけです。
余談ですが、私が卒業した旧制の成蹊高校は理科の教育設備が完備していました。ドイツ、ツァイス社製の鉱物顕微鏡が二人に一台づつ与えられ、鉱物標本をスライスする器械や研磨機もあり、在学時代、水晶発振器を作りたくなり鉱物店から水晶結晶を入手して先生に許可を頂いて放課後R カットの振動子に挑戦した覚えがあります失敗でしたが。

グラフアイトについて

次に大切なのは玉のコーティングです。S字共振が起こったときの玉は全てグラファイトでコーティングしてあります。何故?と思われると思います。日本サイ科学会が創立間もない頃、長谷福江さんという教祖的な方が講演されたことがありました。何か、魅かれるものを感じたので、直接お訪ねして宗教問題などの質問をしました。そして、自分は水晶パワーの研究をしたいむねを伝えたところ、「水晶発電にはグラファイトが必要だと神様が教えてくれたよ」といきなり云われ、六角形のグラファイトの結晶の図を描いて下さいました。失礼だが、とてもその様な知識を持っている方とも思えなかったので、驚きとともに強い印象を受けました。
1972年、日本テレビで念写研究の宮内力先生が立ち会って奈良の伊勢道男先生の念写実験の放映をされたときも、遮光の封筒に墨で書いた文字がそのまま念写されたこと、及び、佐々木茂美先生(現日本サイ科学会会長)が電通大におられたとき、たしか、広田君という超能力少年の念写の実験をされたときも、遮光の袋に鉛筆で書いた線の影響がフィルムに現れたことを聞いています。これ等のことを考えると、グラファイトカーボンは逆電磁的に重要な力があることは間違いないと思います。
通常の電流は電位の勾配に沿って、つまり、スカラーポテンシアルの勾配に沿って流れます。逆電磁的電流もある筈で、私はそれをアイソ電流と呼ぶことにしています。その アイソ電流はベクトルポテンシァルの勾配に従って流れると思い、その道にグラファイトの通路を作ることが大切であると考えました。 ベクトルポテンシアルは古典電磁気学では数学的な考えの上での存在でしかなかったと思いますが、日立中研の外村氏によって所謂AB効果が確認され、その実在性が証明されたと私は理解しています。その勾配に沿ってアイソ電流が流れるとするならばグラファイトによってその回路を構成すべきであると考えました。それは、水晶玉にも流れる筈でグラファイトの6角構造に似た結晶の玉自身の内部を流れるか、或いは、表面を流れるかどちらかであろうと思っていました。1993年水晶電波出現の際に玉にグラファイトをコートして試してみましたところ、コートしたほうが明らかに良く電波が出現しました。ところが、玉にグラファイトをコートすると現実には振動の邪魔になり水晶玉の共振周波数を測ることが全く不可能になってしまいます。また、グラファイトは導電性だからどの程度の表面電気抵抗を与えるのがよいかも大切な問題でした。あまり低い抵抗ではキャビティ自体への影響が大きく実効Q値が下がってしまう筈。結局、最初にS字共振を成功したときの玉は玉の直径方向にテスターの電極を接触して1~0,5MΩ程度で、後のときも大体同じでした。ただ、私のキャビティの共振時のインピーダンスは15キロオーム位ですから離れすぎている気もします。グラファイトの粉末は、私は長いこと靴クリームの製造に携わっていたのでアルミ缶やアルミチューブの内面に使うエポキシ変性フェノール樹脂が入手しやすかったので、それに混合攪拌してスプレーして使いましたが、これはあと180℃位の熱処理が必要です。他のものでもよいと思います。厚さは出来るだけ薄く10ミクロン以下が良いようです。一度コーティングしてしまうと共振周波数が測れなくなるのはいつもの悩みでした。姫路の北野恵宝師(水晶玉より強力電波発生*参考)が宇宙人から見せてもらった水晶玉はみどり色だったそうです。前出の青木孝志先生は金もベクトルポテンシアルのためによい材料だと云っておられましたから、これは多分金を真空蒸着してあったと思います。蒸着ならば極めて薄くできるので共振周波数が測れなくなる心配はないと思うのでこの方式を試して見たいと思いましたが、剥れやすいとのこと、それを解決する時間も掛かりそうで、また、設備も大変なので試みませんでした。上述したようにアイソ電流の回路を十字キャビティにも組み込むことが必要です。その回路をグラファイトで作るのに材料の選定に悩みましたが、現在はカーボン繊維というグラファイト構造を持った素晴らしいものが開発されています。市場で一般には売っていません。思い切って東邦レーヨンに電話してお願いしたら、わざわざ、課長の小川英冶氏がカーボン繊維束の見本を持って届けてくださったのには感激でした。これが入手出来なかったならグラファイト回路の長さの調節が大きなネックになるところした。
image044  右の図は十字キャビティ回路のイメージを示します。同軸キャビティではベクトルポテンシアルはどこに集中するかを考えて出来たのがこの構造です。同軸キャビティではワンターン回路の付いた付近で回転磁界が最も強くその断面の中心をベクトルポテンシアルが通るはずと思いキャビティの中心導体パイプの中に下の図のように棒状のカーボンファイバーを通しました。その先端は凹面で水晶玉に接し反対側は隣のキャビティの同じ端とフレキシブルなカーボン繊維でつながり玉に帰るアイソ電流の回路を構成しています。つまり、十字キャビティに8の字になるように二つのグラファイト回路があるようになっています。この構成で両回路の長さを夫々3/4波長にした状態で1998年11月4日第一回目のS字共振現象が発生したわけです。image0432004年正月に成功したときは8の字でなく回りを円形に繋いだ形でした。 カーボン繊維は極めて細い繊維が3㍉位の束になったもので触るとボロボロに成りやすいので縫製用のバイヤステープに熱圧着メッシュテープで保護して使っています。前ページの写真の右手前十字キャビティ端に白く写っているのがそれです。また、その元のところの白く丸いものは中心導体と一体になっているimage04110PF程度のバリコン(11ページ写真参照)を回転してキャビティの共振周波数を微調整するデルリン製オームギアの歯車で相手の真鍮ギアは外してあり、写っていません。また、丸い基盤の左端にすこし飛び出して付いているものはフォトMOSリレーを利用した安全装置でS字共振現象が発生したときにワンターン回路に直列につけたダイオードの電流でこのリレーが働くようになっています。そしてキャビティの傍らについているソレノイドコイルが働いてキャビティの中心導体をショートして十字キャビティバランスを壊してS字共振を止める仕組みです。
試験信号は前述したとおりキャビティ4組全部には直接入力せず、一組の対向キャビティ②、④にのみ同相の信号を夫々のワンターン回路に入れています。別の対向キャビティ①、③には②、④より容量結合によってパワーが伝達し、シールド板の調節によって信号が90度ずれた状態になるよう、また、4本ともほぼ同じレベルになるように調節しました。写真に写っている二つのアルミケースは電気振動の伝播を一方向にするアイソレーター「TDKのヘキサレーター」でS字共振発生によるRFアンプへのダメージを防ぐため入れたものです。
水晶玉の共振周波数と十字キャビティのそれはほぼ一致必要がありますが片方は極端にQが高く1万以上あり、キャビティのそれはせいぜい3~400程度です。S字共振は電源が無限のパワーを持った形の水晶発信機の発振状態と言える点があるので、前述したように何とか、トランジスターを利用して十字キャビティで水晶玉を発振できぬかと考え試したこともありました。不思議なことに、グラファイトでコートしない玉を十字キャビティにセットして試験信号によって玉が反応したことはありませんが、ところがグラファイトでコートした玉のときは時々瞬間的共振反応を示しそれがS字共振に発展したのです。その一方、前述したとおり、共振周波数測定器ではグラファイでトコートした玉はそれが負担になり全く共振振動しません。
つぎに、(水晶玉から強力電波エネルギー発生)の中で書いた打ち消し巻きトロイダルコイルの説明をします。